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シンプルな中にアラビアンなテイストを♪「ふたこぶ食堂」

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JR高尾駅の北口から高尾街道に入り、南浅川にかかる橋を越えて少し進んだところの右手から、大きなガラス窓と白く塗られた壁、異国情緒あふれる扉が印象的なお店が視界に飛び込んできます。扉を開けると、平屋の屋根くらいまでありそうな高い天井と、そこに錆止めの塗装をむき出しで鎮座する存在感バツグンの鉄骨の梁が目を引きます。足元には何十年も使い込まれたような重厚感と味のある床板が張られ、白い漆喰の塗られた高く広い壁が、窓からの光を受けて店内を柔らかく照らしています。イスや照明などの一つ一つの小物も、シンプルな中にアラビアンなテイストが盛り込まれており、細部にこだわりを見せつつ全体で見ると統一感が感じられる、とても居心地の良さそうな空間となっています。

実はこのお店、ほとんどの部分がDIYで作られているそうです。手作りで仕上げられたこの内外装は、ベリーダンサーであり、こちらの「ふたこぶ食堂」の店主でもある樹音(じゅね)さんと、DIY経験豊富なご友人のアライさんの全面的なサポートにより完成したのです。

ペンキを塗ったこともなければ、カナヅチを握ったこともなく、店舗を作る経験や知識も持ち合わせていなかった樹音さんが、どのようにしてこのような素敵な雰囲気のお店を作り上げることが出来たのでしょうか?今回はDIYを開始する前の状態のお店の写真や、DIY作業中の写真などを見せてもらいながら、樹音さんからふたこぶ食堂の完成までのお話をうかがわせてもらいました。

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ーー2014年の7月にこちらの場所でオープンされたそうですが、元々この場所はどういった物件だったのでしょうか?

ここは私が入る前にはバーが営業していて、その前にはラーメン屋さんが入っていたそうです。バーをやっていた時は、床は下地のコンクリートのままで、壁はベニヤ板がむき出しの状態でした。なので、床は土台から全部作り、壁もベニヤの上から石膏ボードを貼り、その上から漆喰を塗りつけてあります。天井の露出した鉄骨は元々のこうなっていたもので、そのまま使用しました。

キッチンやカウンターは現在の位置と別の場所にあって、そこを客席に作り直してキッチンを店奥に移すことで、フロアが一気に広くなりました。

まずは壁を作り、次にキッチン、フロア、入口と、店の奥から手前に向かって作っていきました。床板に使用しているのは「足場板」って呼ばれる使い込まれた味のある建材なんですが、今結構人気があって入手が難しくなっているんです。入手困難ということで早めに発注しておかないと他の部分との完成のタイミングが合わず、工期が伸びてしまうのを心配して、鳥取の業者さんに直接連絡をとって入手に成功したんですが、思っていたよりもずっと早く足場板が届いてしまいました。早めに届いたのは良かったのですが、発注した足場板はどれも4mもの長さがあったので、床板を貼る作業に入る前から大量の長い板が店内にドーンとのさばっている状態でした(笑)

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ーーどのようなきっかけがあって、こちらでお店をやろうと思ったのでしょうか?

元々ここでバーをやっていた方が友人だったのですが、お店をたたむ際にこちらでお店をやってみてはどうかと提案していただいたんです。しかし「明日までに決めて!」と、すぐに決断を迫られまして、色々な心配事ややりたいことなどがグルグル頭を巡りましたが、決心して「やる!」と返事をさせてもらい、こちらでお店を作るところから始めることにしました。

元々、老後の楽しみじゃないですけど将来的にお店はやろうとは思っていて、それまでにやりたいことが沢山あったり、本当は沖縄でお店をやってみたかったりと、いろんな思惑があったのですが、重なったタイミングとそういった思いも繋がって、今お店をやることになったんです。お店をやりたいって夢が早まった感じですね。自分のまわりの環境がそう動いているというか、その流れが来てるって感覚でした!

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 ーー樹音さんはDIYの経験などはなかったそうですが、なぜお店を自分たちの手で作ってみようと思ったのでしょうか?

私自身はペンキを塗ったこともなければ、こういった作業に必要なことは何も知らなかったんですが、TOUMAI(トゥーマイ)の様に、例え素人でもやれば出来るという実例を目にしてきていたので、自分も出来るはず!やってみよう!という気持ちを持つことが出来ました。それがなかったら、自分の手で店作りをしようなんて考えなかったと思います。

お店を作る情熱はありましたが、貯金も技術も経験もない、全てゼロの状態からのスタートでした。しかし、いいタイミングでDIY経験豊富な友人が手伝ってくれたり、資金もどうにか工面できたりして、お店を作り始めることが出来ました。

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ーーお店を作るにあたって、店舗の完成形のイメージ作りの参考にしたものとかはありましたか?

細部までのイメージとかは全くなかったのですが、一つ一つを作っていくうちに、このような形になっていった、って感じなんです。自分で「ここはこうしよう!」と決めて作ったのではなく、「お店」っていう生き物が私を通して徐々に形になっていった感じですね。入口上部に塗る色を、ああでもない、こうでもないとずっと悩んでいたのですが、ある時に急に「芥子色!」と思い付き、塗ってみたら「コレだ!」としっくりくる外観になりました。

カウンター部分は木枠に白いタイルを貼り付けて、灰色の目地剤で仕上げてあるんですが、これは西荻窪にあるカレー屋さんのカウンターを参考にしていて、そのカウンターを作った人が知り合いだったので、タイルの大きさなどもそこと同じように作ってあります。

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 ーー床板の足場板を業者に電話発注して入手したと伺いましたが、その他の資材の手配などはどのようにしていたのでしょうか?

入口のドアはインドネシアがオランダ領だったころの建物の扉をヤフオクで入手しました。その他の資材に関しても、フロアのイスや照明の傘など、ネットを活用して購入したものがたくさんあります。

もちろんムラウチホビーやカインズなどのホームセンター、リサイクルショップなどにも足を運びましたが、ネットでの買い物を中心にすることで、資材を店まで運んでくれるので買い出しと搬入の手間が省けることや、昼間は作業だけに集中して、夜にはネットを見ながら店内に使用するものを打ち合わせして決められるなどのメリットがありました。

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ーーDIYでお店を作ってみて、良かったことや大変だったことがあったら教えてください。

自分たちで作ると、細かいパーツの一つ一つも自分たちで選ぶことになり、それを取り付けるにも一つ一つ思い入れやいわくなどがあり、どの部分にも愛着がわいてくるのが、DIYのいいところだと思います。

大変といえば、一緒に作業してくれる人との意見の相違などがありますが、誰かと一緒に何かを作り上げるとなれば、あって当然のことかもしれません。

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ーー最後に、これからDIYで部屋作りなどをやってみたいという人たちへのアドバイスなどをいただけますか?

これからDIYをやってみようという時、自分一人で全てやろうとしないで、まわりの人に頼ってみるといいかもしれません。自分で出来ないことでも、まわりに出来る人がきっといると思います。

今では自分でお店作りをする時にも、事前にいろんな人の経験談を聞いておいてみたかったですね。それと、今まで見て「カワイイ」と思っていたものも、自分で作ることができることも分かったので、カワイイだけでなく、今後の参考にするような目線で色んなものを見られるようになりました。

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ふたこぶ食堂

〒193-0843

東京都八王子市廿里町21-4
営業/月 – 水: 11:00 – 17:30
   金 – 土: 11:00 – 17:30、20:00 – 0:00

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